平昌オリンピックが始まり、各競技が繰り広げられていますが
「レジェンド」葛西紀明らが出場するスキージャンプのノーマルヒル決勝が2月10日に行われました
葛西紀明の結果は21位と振るわなかったが、その原因は何だったのか?
また次戦ラージヒル及び団体戦が行われますが、その日程と展望を書いていこうと思います
ノーマルヒル失敗ジャンプの原因は?
そもそも個人的にですが、果たしてこの結果は失敗だったのか?
順位結果と言えば、失敗な順位だと思いますが、8度目のオリンピック、45歳という年齢を考えれば申し分ない成績だと思います
ただ葛西紀明は「失敗ジャンプ」だと言っています
その原因をあえて言うならば・・
- アウエー
- 緊張
- 環境
- 衰え
でしょうか?
アウエー
まあ長野オリンピックみたいに日本開催ではないので仕方ありませんが
平昌に到着してから、葛西紀明はいわゆる「アウエーの洗礼」を受けてしまいます
一つ目はホテルのエアコン故障・・
これはとてもキツイですよ!冬の韓国は極寒で北海道よりも寒いのではないでしょうか?
それなのにエアコンが故障して暖房が出てこない・・身体が冷え切ってしまいますよ
2つ目は、移動バスが来ない・・
ノーマルヒル予選前の7日の練習が終了したのは午後10時前
それからバス停に移動したが、「バスが待てど暮らせど来ない!」(本人ブログより)
他国のチームはすでに帰っていて、-14度の寒さのなか、日本チームだけが40分近く取り残されたと言う
葛西紀明本人は「開会式の練習だと言い聞かせながら耐え忍んでいましたが、マジでなまら寒かった」と、過酷な珍体験を語りました
これは日本に対する嫌がらせ?
エアコン故障、バス未到着、試合の前に過酷な場面にさらされて、身体の疲労が蓄積していたのではないでしょうか?
緊張
ノーマルヒル予選の前から調子が上がらず、葛西紀明の表情もイマイチでした
葛西紀明本人も緊張してると言っています・・あまり良くないですね
この予選の出場を決める日本人ジャンパーのメンバーにもギリギリ滑り込みで入りました
そしてノーマルヒル予選では、なんとレジェンドらしからぬ失態を
スキースーツのファスナーを開けっ放しで飛んでしまったんです‼
「飛び終わって、同じ日本ジャンプ陣の(小林)陵侑に言われて、うそーって。焦ったー」
にもかかわらず予選でK点に達する98メートルを飛んだ葛西紀明です
ルールでは、スーツのファスナーは全部閉めて飛ばなければならないそうです
ジャンプ後に画面で記録を確認したり、板を外したりする場で2人前に飛んでいた小林陵に言われて気付いたといいます
よく失格にならなかったですね!ホント良かった
このレジェンドらしからぬ行動に、平常心ではないのかな?とも思いました
今回が8回目のオリンピックなのに、緊張からファスナーを閉め忘れる・・
自分のジャンプが不調で気を取られて、そこまで気が回らなかったのでしょうか?
明らかにおかしい・・
環境
昨日のノーマルヒル決勝はとにかく寒さと風が強かった日だったようです
本来の試合時間より1時間もオーバーして終了したので、これは選手には過酷な試合だったと思います
何故オーバーしたかというと、ジャンプ台付近の風が影響したからです
ジャンプ台付近には、風よけの防御ネットが設置されているが、それでも防ぎきれない
やはり屋外のスポーツは自然との闘い
普段から平昌のジャンプ台は風が強いとの情報があったのですが、今回の試合は時より風が強すぎて競技が中断してしまう事も多々ありました
スキージャンプの生命線は「向かい風」にあります
ジャンパーはこの向かい風を受ければ、浮力を受けられて遠くまで飛ぶことができます
特にK点付近の向かい風は、飛距離アップが望めます
逆に追い風は、地面に叩きつけられる様に急降下して飛距離が望めません
ジャンプの公平感を保つために、なるべくジャンパー達が同じような風の条件で飛ぶようになっていて
プラス、点数で向かい風や追い風で+加点や-加点を付けて、またジャンプ台の滑走路の長さでも上げ下げしたりして+加点や-加点を付けて公平感を保つようにしています
それで、強烈な向かい風が吹いていれば飛距離も伸びすぎてしまう+選手が飛びすぎで危険にさらされてしまうので、風が止むまで競技ストップしてしまいます
ジャンプ台にいる選手たちは、風による競技ストップで長い時間スタート地点にいたので、身体が冷えてしまったのではないかと思います
それでいつものジャンプに狂いが生じて(微妙なジャンプの踏み切りタイミング)結果失敗ジャンプになる
葛西紀明も「身体が冷えた」と言っていました。7位入賞を果たした小林陵侑も「足先が凍るかと思った」と言っています
過酷な大会だな・・
競技時間帯を見ても、23時をゆうに周り、試合終了時刻は日をまたいで0時を過ぎてます
極寒の夜・・気温も-10度を下回り、何と体感温度は-20度・・で風が強い居場所で待機、体を痛めつけられますよ
これは競技中止になってもおかしくないが、それでも結果を出している選手もいるのでね・・
衰え
これは人間である限りどうしようもない事ですが、それでも第一線で活躍している葛西紀明はやはり「レジェンド」です
他の国でもシモン・アマンやヤンネ・アホネンもまだジャンプを続けています
シモン・アマンは36歳、ヤンネ・アホネンは40歳、葛西紀明は45歳
このレジェンド達は過去の輝かしい栄光もあるのにも関わらず節制して競技に出場してるのはホントすごいの一言です
ここまで飛ぶのは、ジャンプに対しての信念や理念、モチベーションがメチャクチャ高いのだろうと思います
例えとしては適切かどうか分かりませんが、社長が第一線を退いてもまた違う会社で社長業を続ける様な物でしょうか
次戦はラージヒル
葛西紀明は実はノーマルヒルよりも、ラージヒルを得意としています
前回のソチオリンピックでも、ラージヒルでは銀メダルを獲得しています
それにしても、当時41歳254日でのメダル獲得ってとんでもない記録ですよ!
もちろん世界最年長記録です(そのあとの団体でメダル獲得で41歳256日記録更新)
今回平昌でメダルを獲得すれば、自身の世界記録更新ですよ‼
これはほぼ塗り替えられないでしょうね❣
日程ですが、ラージヒル予選が2月16日 21:30~
決勝が翌2月17日 21:30~
ジャンプ団体は2月19日 21:30~
ちなみに高梨沙羅率いる女子のジャンプは、2月12日 21:50~です
まとめ
葛西紀明「45歳」の平昌オリンピック挑戦はノーマルヒルでは21位と振るわなかったですが
その原因はアウエーの洗礼や環境、緊張、衰え・・今回の大会は身体をむしばんでいく平昌オリンピックかなと思います
それでもジャンプをまとめてくる所はレジェンドたる所以ですね
寒い寒いと言っていましたが、決して飛距離を影響する「風の有利不利」を言い訳しないところが素晴らしいです
それでもこの後のラージヒルに向けていい予行練習ができたのではと思います
葛西紀明の得意分野の「ラージヒル」でカミカゼ・カサイをもう一度見たいです
日本ジャンプ陣復活なるか期待です
おわり